三井不動産レジデンシャルの「
2020 ふつうの家展」先行見学会に参加してきたのでご報告。2020年の家というと、パナソニックも「
Wonder Life-BOX 2020」を公開中だ。パナソニックが都会的でクールな未来像としてコンセプトが統一されていたのに対し、「ふつうの家」はいろんな人がいろんなアイデアを詰め込んだ実験室的なノリだった。
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キオクスル食卓 |
天井に備え付けられたカメラでテーブルを撮影した映像を、同寸でプロジェクターが映写している。毎日の食卓を録画し、再生できるとのことだったが、見上げないかぎり手しか映らないので普通に横から撮ったほうがよいのではないかと感じた。このシステムを活用するなら、お台場の「
ソニー・エクスプローラーサイエンス」にあるように、家族で協力してアート作品を作ったり、バーチャルなボードゲームで遊んだりするほうが楽しそうだ。
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ツナガル窓 |
上記の「キオクスル食卓」の壁際には大型モニターとステレオマイクとカメラが設えている。モニターには通常は風景が映されているがテレビ電話として使うと、まるで相手が隣の部屋にいるように感じられるというコンセプト。機能としてはFaceTimeやSkypeや任天堂の「
Wii U Chat」などと変わらないのだが、画面が大きいので相手の表情だけでなく、服装や食卓や部屋の内装や窓外の風景なども目に入ることはメリットだ。遠隔地に住む両親や単身赴任の夫とコミュニケーションをとりたいひとには魅力的な環境だろう。現在でも実現できる技術だが、金がかかる。
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ツクル空間 |
レシピが投影される調理台という点ではパナソニックの「
Wonder Life-BOX 2020」と同じだが、パナソニックは水道の蛇口が計量してくれたし、IHヒーターが通常は不可視化されていたので、こっちは負けている印象。いちおう調理台の下に3Dプリンターが入っていて、料理だけでなく工作もできるというところが特徴なのだが、工作中に料理しようとするとき、いちいち片付けるのは面倒だし、造形物に料理の油がはねたりするのも嫌なので、あまり実用性はないのではと感じた。
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オトノナル扉 |
上の写真はドアを開けた時に、その早さや気分に応じて音がなるという展示だが、「電灯をつけたときも音が鳴ったら気分がアガりますよねー」という解説があり、家の中で何かをするたびにいろいろな音が出たら確かに楽しそうだなーと感じた。毎朝、目が覚めたとき朦朧としながら、ベッドから起き上がり、カーテンを開け、顔を洗い、トイレに入り・・・と一連のルーチンワークをこなすわけだが、この一挙手一投足に音がついたら、気分よく覚醒できそうだ。
ただ、これは現在でも可能なだけでなく、さして金もかからない。デバイスをKickStarterや秋葉原で見かけてもおかしくない技術ではある。
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ファブラボ・ワークショップ |
鎌倉でデジタルファブリケーションの施設を運営するファブラボさんによる参加型イベント。レーザーカッターで作成された木製アルファベットを組み合わせて部屋の表札を作りましょうというもので、「ものづくりを通じて、意外な素顔が見えてくる」という言葉には説得力があった。鎌倉は遠くないのでそのうち行ってみようと思うが、これ、2020年の普通の家とは関係ないような・・・。
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トークセッション |
最後はギズモード尾田編集長をモデレータに迎えてのトークセッション。キオクスル食卓で玩具を使おうというアイデアは昨夜思いついたそうで、綿密に計算し計画されたプロジェクトというより、アジャイル的で実験室な展示であることがわかった。
正直に言うと今回の展示内容は期待していたものとは違ったのだが、日々変化していくとすれば、いずれまた訪れてもよいのではと思った。