2014年7月26日土曜日

視線入力HMD 「FOVE」は期待できるか?

FOVEは視線入力機能をもったHMD。両目の斜め下方向から赤外線センサーで眼球の角度を捉え、ユーザーがどこを見ているかを検出する。2015年初頭のKickStarterと同年夏の発売を目指して試作中とのこと。
応用例の筆頭として挙げられているFPSでのエイミングについては、実はあまり期待できない。かつてiPhoneなどタッチスクリーンを搭載した機種用のシューティングゲームで、ターゲットを直接タップするタイプのものがあったが、まるでゲームセンターの「もぐらたたき」をプレイしているような感覚になってしまい、まったく面白くなかった。シューティングゲームというものは、距離とか重力とか風とか自分の呼吸だとか様々な制約の中で狙いをつけるからこそ「俺ってすげぇ感」が得られるのであって、ターゲットを直接ポインティングできてはいけないのだ。
しかし、「ユーザーが見ている対象に応じて被写界深度を変える」機能については興味深く、どれほどの没入感が得られるのか早く体験してみたいと感じた。手前のキャラクターを見ている時は背景がボけ、遠景を見ている時は手前のキャラクターがボけるわけで、予想以上の効果があるかもしれない。
日本の、しかもゲームソフト開発出身のかたが起業したとのことで応援したいところだが、アイトラッキング技術じたいは以前からあるものなので、先行するOculusやMorpheusも取り入れてくるかもしれない。差別化するため、例えばポインティングだけでなく、Emotiv Epocのように脳波を読み取るなどして、手を使わずにクリックできるようにしてはどうだろうか。