2014年7月22日火曜日

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

2006年に公開された神山健治監督による攻殻機動隊SACシリーズ初の長編。
草薙素子が擬体を乗り換えることで諜報活動を行う場面が映画「サロゲート(2009年)」を想わせる。非常に面白いギミックなのだが、使いすぎると複雑すぎて視聴者がついてこれなくなる。そのためか「同時に操れる擬体は2体が限界」と制約を設けているようだ。
2034年の未来を描いているにも関わらず主人公たちの乗る乗用車は驚くほど現代の車のまんまなのだが、本作ではSACシリーズおなじみの多脚戦車「タチコマ」が登場。ようやくSF作品らしいカーチェイスが楽しめるようになった。
ただ、1995年公開の第1作に匹敵するほどのSF的な新しさやインパクトは感じられなかった。人間より高次元な存在に進化したはずの草薙素子が、ネットの世界を渡り歩いてさらに別の概念へと変貌していく姿を期待していたのだが、やはり人気キャラクターを失いたくないということだろうか、むしろ逆に退化し、普通の人間に戻っていっているように思える。
これはシリーズ化による宿命なのかもしれない。