レンタルDVDにて鑑賞。いちぶCGが導入されているが、元となっている劇場用アニメ「攻殻機動隊」は1995年公開なので、内容的には20年前の作品ということになるが、さほど古臭さを感じさせないのは流石だ。草薙素子が装着するゴーグルはシンプルなデザインだが、心なしかOculusに似ている。
スパイ用に開発された人工知能が製作者も意図していない中で自我をもってしまうというくだりはややファンタジー感があるが、人が脳をネット接続するような時代になったら、それを悪用し、人に記憶を植え付けたり行動を操作したりといった犯罪が発生しうるという予想は的を得ているし、幼少期から脳と脊髄以外を機械に置き換えてしまった草薙素子が、肉体という制約に違和感を抱きはじめ、人形使いからの無茶な提案を受け入れてしまう展開も、今でこそ視聴者の納得感に期待できるものの、よくも20年前に考え至ったものだと改めて関心してしまった。
しかしこの作品、登場人物に人間的な魅力が感じられない点が残念だ。人工知能と対比するためにも人間性の描写は必要だと思うのだが、どうだろうか。