2014年8月13日水曜日

マイノリティ・レポート(Minority Report)に登場する未来技術

スピルバーグ監督。フィリップ・K・ディック原作。トム・クルーズ主演。2054年を舞台にしたSF映画。登場する未来ガジェットをおさらいしてみた。
通行人に話しかける広告
・犯罪予知システム「Pricrime Program」
・ジェスチャー入力装置。LEDがついた専用の手袋を着用する必要あり。
・手錠の代わりに容疑者にかぶらせる帽子。
・垂直の道を走る車。(車輪はなさそう)高さの異なる高速道路を垂直に移動。マンションの高層階に横付け。
・ガラス板のようなメモリーカード。この世界ではLANが無いっぽい。
・リアルタイムで紙面が書き換わる新聞。
・背負型個人飛行機。
・嘔吐誘発警棒。「sick-stick」
・容疑者探索ロボット「Spyder」
・顎から注射すると顔の皮膚が垂れ下がり、変装できる薬。
・夢を見せるサービス。みんなから祝福される体験など。
・囚人を仮死状態にする牢獄。
・通行人に話しかける広告。

1本の映画でこれだけたくさんでてくるとは、やはりスピルバーグは未来ガジェットが大好きなのだろう。
しかし40年後の世界なのに、傘が今とまったく同じとはショックすぎる(笑)。
誰か手を使わずに使えて風の抵抗も受けない傘を早く発明して、未来史を書き換えていただきたい。
DYSON AIRBLOW 2050 (concept)

未来のレトロニム (retronym)

「レトロニム」とは従来からあるものに対し、それを新たに登場した同種のものと区別するため、新たにつけられる名称のこと。


【過去のレトロニムの例】
アコースティックギター ⇔ エレキギターが登場したために従来のギターを区別するための名称が必要になった。
永久磁石 ⇔ 電磁石が登場する以前は、単に磁石と呼ばれていた。
サイレント映画 ⇔ 映画で音が出るようになったとき、「トーキー」と呼ばれたが、今は音がでるのは当然なので、「トーキー」という名称は死語になった。
Snail Mail ⇔ e-Mailに対して従来の郵便は英語でスネイル(カタツムリのように遅い)メールと呼ばれる。

1次電池 ⇔ 2次電池(充電池)
オフライン ⇔ オンライン
光学ズーム ⇔ デジタルズーム
白黒テレビ ⇔ カラーテレビ(死語)
地上波放送 ⇔ 衛星放送
ハードディスク ⇔ フロッピーディスク(死語)
フィーチャーフォン ⇔ スマートフォン
フィルムカメラ ⇔ デジタルカメラ
据置型電話 ⇔ 携帯電話

このような名称の入れ替わりは今後も続くはず。そこで未来の技術に対して生まれると思われるレトロニムを考えてみた。

【未来のレトロニム】
手動運転車 ⇔ 半世紀後には自動運転車の比率が増え、人間が自分で運転する車のほうが少なくなるだろう。
光学眼鏡 ⇔ OculusのようはHMDが小型・軽量化していくと、いずれ「電脳コイル」のように日常的に装着するようになるだろう。
文字キーボード ⇔ 今後はカナ入力は音声入力が主体となり、キーボードは漢字変換と修正操作に特化したものになるだろう。

車輪式乗り物(Wheeled Vehicle) ⇔ 浮上機
手持ち電話 ⇔ ヘッドセット型電話
車輪列車 ⇔ 浮遊列車
有線家電 ⇔ コードレス家電
箱型ディスプレイ ⇔ シート型ディスプレイ
物理筆記具 ⇔ デジタルペン
生来人 ⇔ 改造人
ライブスクール ⇔ オンラインスクール

「カラーテレビ」のように、新たな技術の名称は一般化が進むことで形容詞がとれてシンプルな形になる。例えば半世紀後に「学校」といったらそれは、オンラインラーニングを指すだろう。

2014年8月12日火曜日

オールモストヒューマン (Almost Human)に登場する未来技術

いよいよ日本で1stシーズンのDVDが発売されるという時に、最悪のタイミングで打ち切りが決定してしまったJ.J.エイブラムスによる近未来SFドラマ『オールモスト・ヒューマン』。
人間の刑事とアンドロイドがコンビを組んで事件を解決するという、アイザック・アジモフの『鋼鉄都市』を彷彿とさせるストーリー。主演は2009年版の映画スタートレックでマッコイを演じたカール・アーバン。
ワーナーのサイトで第1話が無料配信していたので見てみたが、近未来(2048年)の描写として以下のガジェットが登場した。

・無感情であること以外は人間と区別がつかないアンドロイド。
・空中に表示されるディスプレイ。タッチ操作も可能。
・犯人が誘拐するときに使う銃。相手の顔を撃つと、半透明のシートが顔を覆う。
・プログラマブルDNA。

見どころはMXシリーズと呼ばれる量産型アンドロイド。感情が無いので、怪我をして死にそうな警官に対して「もう助かりません」と言いにくいことをハッキリ言う。
いっぽう主人公の相棒のアンドロイドは旧型なので感情をもっているのだが、その描写はあまりにも人間的で面白みに欠ける。2話以降で描かれるのかもしれないが、人間的であるがゆえにわずかな人間との差が異常に強調されてしまう「不気味の谷現象」を表現して欲しかった。
とはいえ近未来を舞台にしたドラマは少ないので、未来好きとしては今後のエピソードにも期待したい。

2014年7月31日木曜日

2020ふつうの家展 by三井不動産レジデンシャル に行ってきた

三井不動産レジデンシャルの「2020 ふつうの家展」先行見学会に参加してきたのでご報告。2020年の家というと、パナソニックも「Wonder Life-BOX 2020」を公開中だ。パナソニックが都会的でクールな未来像としてコンセプトが統一されていたのに対し、「ふつうの家」はいろんな人がいろんなアイデアを詰め込んだ実験室的なノリだった。
キオクスル食卓
天井に備え付けられたカメラでテーブルを撮影した映像を、同寸でプロジェクターが映写している。毎日の食卓を録画し、再生できるとのことだったが、見上げないかぎり手しか映らないので普通に横から撮ったほうがよいのではないかと感じた。このシステムを活用するなら、お台場の「ソニー・エクスプローラーサイエンス」にあるように、家族で協力してアート作品を作ったり、バーチャルなボードゲームで遊んだりするほうが楽しそうだ。
ツナガル窓
上記の「キオクスル食卓」の壁際には大型モニターとステレオマイクとカメラが設えている。モニターには通常は風景が映されているがテレビ電話として使うと、まるで相手が隣の部屋にいるように感じられるというコンセプト。機能としてはFaceTimeやSkypeや任天堂の「Wii U Chat」などと変わらないのだが、画面が大きいので相手の表情だけでなく、服装や食卓や部屋の内装や窓外の風景なども目に入ることはメリットだ。遠隔地に住む両親や単身赴任の夫とコミュニケーションをとりたいひとには魅力的な環境だろう。現在でも実現できる技術だが、金がかかる。
ツクル空間
レシピが投影される調理台という点ではパナソニックの「Wonder Life-BOX 2020」と同じだが、パナソニックは水道の蛇口が計量してくれたし、IHヒーターが通常は不可視化されていたので、こっちは負けている印象。いちおう調理台の下に3Dプリンターが入っていて、料理だけでなく工作もできるというところが特徴なのだが、工作中に料理しようとするとき、いちいち片付けるのは面倒だし、造形物に料理の油がはねたりするのも嫌なので、あまり実用性はないのではと感じた。
オトノナル扉
上の写真はドアを開けた時に、その早さや気分に応じて音がなるという展示だが、「電灯をつけたときも音が鳴ったら気分がアガりますよねー」という解説があり、家の中で何かをするたびにいろいろな音が出たら確かに楽しそうだなーと感じた。毎朝、目が覚めたとき朦朧としながら、ベッドから起き上がり、カーテンを開け、顔を洗い、トイレに入り・・・と一連のルーチンワークをこなすわけだが、この一挙手一投足に音がついたら、気分よく覚醒できそうだ。
ただ、これは現在でも可能なだけでなく、さして金もかからない。デバイスをKickStarterや秋葉原で見かけてもおかしくない技術ではある。
ファブラボ・ワークショップ
鎌倉でデジタルファブリケーションの施設を運営するファブラボさんによる参加型イベント。レーザーカッターで作成された木製アルファベットを組み合わせて部屋の表札を作りましょうというもので、「ものづくりを通じて、意外な素顔が見えてくる」という言葉には説得力があった。鎌倉は遠くないのでそのうち行ってみようと思うが、これ、2020年の普通の家とは関係ないような・・・。
トークセッション
最後はギズモード尾田編集長をモデレータに迎えてのトークセッション。キオクスル食卓で玩具を使おうというアイデアは昨夜思いついたそうで、綿密に計算し計画されたプロジェクトというより、アジャイル的で実験室な展示であることがわかった。
正直に言うと今回の展示内容は期待していたものとは違ったのだが、日々変化していくとすれば、いずれまた訪れてもよいのではと思った。

2014年7月29日火曜日

狭い日本、金をかけるなら風呂でしょ

下の写真はLIXILが2014年8月から発売する「SPAGE」だが、実は「パナソニックセンター東京」の展示でも最も心惹かれたのは風呂テレビだった。
今も防水の無線テレビを風呂に持ち込んで映画やドラマを楽しんでいるが、特に「南極物語」や「八甲田山」のように登場人物が寒さと戦っているような映画を風呂で鑑賞するのは格別に気持ちがよい。しかし画面は小さく音質も最低レベル。やはり金はかかるが、いつかはビルトインを購入したいものだ。
ただ、長時間お湯につかっているとのぼせてしまうので、顔だけ外に出せるような風呂ブタも必要になるだろう。


2014年7月28日月曜日

電気飛行機はいつになったら市販されるようになる?

テスラが300kmの航続距離をもつ電気自動車を300万円台で発売しようとしている昨今、次は完全に電気だけを動力とした飛行機の実現が望まれている。しかしラジコンの電動飛行機は珍しくも無いし、自転車を改造した人力飛行機もある中で、意外にも電力飛行機の実現は遅れている。
今のところ2014年4月に発表されたエアバス・グループの「E-Fan」が最もリードしているようだ。
機体は炭素繊維複合材で、重量は580kg。
電源は韓国KoKam社製250ボルト100アンペアの大型(127 kg)リチウムイオンポリマー電池。
出力30kwの電動モーターで8枚ブレイドのダクテッドファン2基を駆動させる。
2人乗りで、座席はタンデム配置。最高速度は、時速177kmで最長1時間の飛行が可能とのこと。
バッテリーの重量が本体の22%を占めており、やはりバッテリーの容量と重量が最大の課題であることがうかがえる。
エアバス社は15年~20年後の実用化を目指しているようだが、先日レドックスフロー蓄電池を搭載した電気自動車「QUANT e-Sportlimousine」を発表したnanoFLOWCELL社によると、同社のnanoFLOWCELLバッテリーは従来のリチウムイオン電池に比べ、重量あたり5倍の性能を発揮するそうで、最新の技術を組み合わせれば、電気飛行機の実現はもっと早まるのではないだろうか。

2014年7月27日日曜日

植物繊維って凄い ナノセルロース Nano-Cellulose

セルロース (cellulose) とはもっともありふれた炭水化物の一種で植物の細胞壁や繊維の主成分であり、紙の主成分でもある。そう聞くと白くてふにゃふにゃしたものをイメージしてしまうが、セルロースをさらにナノレベル(太さ4~15ナノメートル)にまで細かくほぐし(微細化処理)、ナノセルロース(セルロースナノファイバー、セルロースナノファイバー、セルロースミクロフィブリル)とすると、透明で軽くて硬い、夢のような新素材としての特性が現れる。

・強度は鋼鉄の5~8倍、プラスチックの3~4倍。ケブラー、アラミド繊維、マグネシウム合金と同等。
・重さは鉄の5分の1。プラスチックの3分の1。
・熱膨張率は高純度な石英ガラス級。ガラスの50分の1。
・石油ではなく材木から作る。森林資源が多い日本には有利。
・生分解性があるので環境にやさしい。
・製造コストはケブラーやカーボンファイバーの10分の1。

と良いことづくし。考えられる応用分野は多岐に渡る。

・温度変化で大きさが変わりにくい容器。
・小さく折りたたむこともできる太陽電池。
・超薄型で曲げることもできる有機ELディスプレイ。
・防弾ガラス。
・車や飛行機を軽量化できる。車1台あたり300kg軽くでき、燃費を20%軽減させる。
・微生物を取り除くフィルター。
・人体に親和性のたかい人工臓器。

王子製紙は2013年末から早くもサンプル提供を始めており、あと10年もすれば身の回りの多くのものにナノセルロースが導入されることになりそうだ。
カニやエビから抽出するキチンナノファイバーも新素材として可能性が高いらしく、改めて生体の高性能ぶりには驚かされる。