2014年4月13日日曜日

なぜ地球外文明と出会わないのか

SETIのドレイク博士によれば地球と同等以上の文明は銀河系に2万は存在するというが、半世紀もの間、宇宙から飛来する電波を解析し続けても、地球外文明からの信号はキャッチできていない。訪問する前に連絡をよこすのが礼儀だとは思うが、地球外生命からの突然の来訪も今のところない。なぜか?
それは我々のような文明の形態は宇宙の中で珍しくはないものの、140億年もの宇宙の歴史の中では、ほんの一瞬の瞬きに過ぎないからではないだろうか。
必ずしも科学技術の発展が不可避的に文明の崩壊を導くといった悲観論的未来観を肯定しようというわけではない。宇宙船を作って故郷の星を脱出するようになった文明は、まるで大航海時代の再来のように外宇宙へと文明圏を広げて行くのではなく、そうなる前に、恐るべき速度でナノテクノロジーが進歩し、ほどなくして生活圏や資源やエネルギーをそれほど必要としない文明レベルに達してしまうのではないだろうか?
文明が宇宙船や電波観測などを手にいれてから、新たな文明形態に進化するまでの時間がほんの100年ほどだとしたら、それは宇宙の年齢と比べてあまりにも短い。外宇宙から訪問者がやってこないことも納得だ。

さて、生活圏、資源、エネルギーに不自由しない文明は、次にいったい何を求めるだろう?

たとえば研究対象だ。
研究対象は恣意的に操作されるべきではないので、地球外文明は地球に干渉しないように気を配りながら我々を観測しているのかもしれない。我々が実験室でやっているようなことを宇宙的スケールでやっているということだ。
そしてもうひとつの可能性は、ネットワーク内にヴァーチャルワールドを作り出してしまうため、リアルな世界への興味を失ってしまうというパタンだ。
カーツワイルによるとそういった文明は宇宙のすべての物質をとりこんでコンピュータにしてしまうとのことだが、今の宇宙がそうなっていないということは、彼の説は間違っているのだろう。恐らく十分な大きさのヴァーチャルワールドを作るのに、それほど多くの物質は必要ないのだ。そうなると文明は外界から隔絶されてしまい、他の文明と接触する機会は減少する。

感情的には前者であって欲しいと望みつつも、光速を超えて移動する手段が発見されない限り、後者のほうが可能性は高いのだろう。