2014年8月13日水曜日

未来のレトロニム (retronym)

「レトロニム」とは従来からあるものに対し、それを新たに登場した同種のものと区別するため、新たにつけられる名称のこと。


【過去のレトロニムの例】
アコースティックギター ⇔ エレキギターが登場したために従来のギターを区別するための名称が必要になった。
永久磁石 ⇔ 電磁石が登場する以前は、単に磁石と呼ばれていた。
サイレント映画 ⇔ 映画で音が出るようになったとき、「トーキー」と呼ばれたが、今は音がでるのは当然なので、「トーキー」という名称は死語になった。
Snail Mail ⇔ e-Mailに対して従来の郵便は英語でスネイル(カタツムリのように遅い)メールと呼ばれる。

1次電池 ⇔ 2次電池(充電池)
オフライン ⇔ オンライン
光学ズーム ⇔ デジタルズーム
白黒テレビ ⇔ カラーテレビ(死語)
地上波放送 ⇔ 衛星放送
ハードディスク ⇔ フロッピーディスク(死語)
フィーチャーフォン ⇔ スマートフォン
フィルムカメラ ⇔ デジタルカメラ
据置型電話 ⇔ 携帯電話

このような名称の入れ替わりは今後も続くはず。そこで未来の技術に対して生まれると思われるレトロニムを考えてみた。

【未来のレトロニム】
手動運転車 ⇔ 半世紀後には自動運転車の比率が増え、人間が自分で運転する車のほうが少なくなるだろう。
光学眼鏡 ⇔ OculusのようはHMDが小型・軽量化していくと、いずれ「電脳コイル」のように日常的に装着するようになるだろう。
文字キーボード ⇔ 今後はカナ入力は音声入力が主体となり、キーボードは漢字変換と修正操作に特化したものになるだろう。

車輪式乗り物(Wheeled Vehicle) ⇔ 浮上機
手持ち電話 ⇔ ヘッドセット型電話
車輪列車 ⇔ 浮遊列車
有線家電 ⇔ コードレス家電
箱型ディスプレイ ⇔ シート型ディスプレイ
物理筆記具 ⇔ デジタルペン
生来人 ⇔ 改造人
ライブスクール ⇔ オンラインスクール

「カラーテレビ」のように、新たな技術の名称は一般化が進むことで形容詞がとれてシンプルな形になる。例えば半世紀後に「学校」といったらそれは、オンラインラーニングを指すだろう。