2014年6月9日月曜日

チューリングテスト攻略法が発見される! Eugene Goostman

2014年6月7日(土)、人工無能Eugene Goostmanくんがチューリング・テストに合格した。
Eugene Goostman
テスト条件は案外ゆるくて、音声ではなく文字によるチャットでテスト時間は5分、30%以上のテスターが「人間かどうか区別がつかない」と答えれば合格とのことなので、これですぐHALみたいな人間なみの人工知能が生まれるということではない。しかしディープ・ブルーがチェスのグランドマスターを破り、ワトソンがジョパディーでチャンピオンを破った件と同様に、今回の偉業が人工知能史に残るランドマークになることは間違いないだろう。

恐らくEugene Goostmanのアルゴリズムが公開され、あるいは解析されることで、そのチューリングテスト攻略法は瞬く間に全世界の研究者によって検証され、改良を加えられ、時を経ずして当たり前の技術になる。もしチューリング・テストが合格条件を変えなかったら、今後は合格者続出になってしまうはずだ。
しかしアラン・チューリングは1946年、以下のように語っている。

「今から30年以内に、コンピュータに質問をすることは、人にするのと同じくらい簡単になるだろう」

つまりチューリングテストを提案したアランにしてみれば、1976年より以前に合格者がでることを想定していたわけで、我々は40年ちかくも遅れをとってしまっているということなのだ。

ある意味、ようやく人工知能を厳密な基準で評価できる時代に突入したということなのかもしれない。いずれにしてもめでたいできごとだ。おめでとう、Eugene!