2014年5月16日金曜日

賢いクズ? Smart Dust

互いに通信しあうことができる微細なセンサーを「配置する」のではなく、あちこちにばらまくというのがスマートダストの考えかただ。
ビルのコンクリートの中に混ぜ、道路のアスファルトの中にも混ぜる。短距離での通信しかできないが、互いが無線ネットワークでつながり、クラウドともつながっているため、遠方の道路の状態や建物の中の状態まで把握することができるようになる。親はGPSよりも正確に子供の場所を知ることができる。座標だけでなく、何階のどの部屋にいるかまでわかる。スマートダストが満たされた建物に、泥棒が入り込む余地など無い。車に乗って逃走しようにも、町中の車の位置はすべて警察が把握できるようになる。車も自分の位置や他車の位置がわかるから、自動操縦が可能になるし、渋滞はもとより交通事故も起きなくなる。地下のどんなに入り組んだ部屋の奥でも、無線LANが快適につながるようになるため、真のユビキタスコンピューティングが可能になる。体に異常がでれば、すぐさま病院に連絡が入り、救急車がやってくる。

さらに、スマートダストを空中に散布するというアイデアもある。昆虫のように小さく軽く作ることができれば少ない電力で空中を飛べるかもしれないし、粉末のサイズまで縮小することができれば、動力などなくても空中に滞留できるようになるだろう。戦場でばらまけば敵の位置や動きが手に取るように把握できるようになり、ピンポイントでターゲットを殺害・破壊することができる。平時には危険極まりない存在だが、誰ががばらまいてしまったら、これを個別に見つけ出し掃討することは、かなり骨が折れるだろう。ゴジラのような巨大な怪獣より、よほど恐ろしい存在になりうるのだ。