2014年6月30日月曜日

スペース・コロニーは必要か? 2081: A Hopeful View of the Human Future.

今は中古でしか手に入らないジェラード・K・オニールの「スペース・コロニー2081」は学生時代の愛読書。オニールの描くオプティミスティックな未来像がもう大好きで、何度も読み返した。
2081: A Hopeful View of the Human Future.
彼の提案する宇宙植民島が活発に議論されていた70年代当時から「オニールがなぜ急ぐのかわからない。宇宙に植民地を作る前に、地球上には未開拓な地域が広大に残っているのに」と科学者からも批判を受けていたが、オニールが白血病で死んだ1992年から20年経った今では、ガンダムやMass Effectといったフィクションを除いて勢いを失ってしまった感がある。
NASAは火星有人飛行のための実験を継続しているし、SpaceXも火星への移民に乗り出しているが、火星までの距離は6000万km。月までの距離の160倍だ。そんな遠くで住むよりも、地球と月とのラグランジュポイントに宇宙島を作るほうが、よっぽど現実的に思える。
宇宙島なら遠心力によって地球と同じ1Gを生み出せるし、太陽光から100%に近い効率で無限のエネルギーを取り出すことができる。ジェイムズ・P・ホーガンが「未来の二つの顔」で描いたような、宇宙空間で作業用できるドローン(小型ロボット)が進歩すれば、宇宙での建造コストはどんどん下がっていくだろう。
生きているうちに、この素晴らしい風景を眺めてみたいものだ。