2014年3月29日土曜日

脳内ナノボット

脳をネットに接続する方法として、ニューロマンサーのジャックインのように脊髄に接続端子を埋め込むような痛そうで危なそうなことは普及しないだろうし、かといってEpocのように頭蓋骨の外側から脳にアクセスする方法も精度が悪そうだ。しかしカーツワイルの「脳の血管にナノボットを入れて外部と通信させる」というアイデアを聞いたとき、いろいろと未来が見えて来た気がする。


ひとはまず怪我や病気を治療するためにナノボットを人体に入れることから始めるだろう。それが巧くいき、浸透することによって、人体にナノボットを入れることに抵抗感が薄まれば、それを脳内血管に適用する事もスムーズに進むに違いない。結局ヘッドセットのような通信装置を被る必要はあるかもしれないが、それで外部のデータベースを脳から直接検索したり、知識を増強したりすることの便利さを知ってしまったら、人はそれを受け入れるだろう。まるで現在、わからないことがあったらポケットのスマートフォンを取り出してグーグル検索するのと同じように自然なこととして。
ナノボットの機能は当初はデータベースの読み書きに限定されるかもしれないが、次第にその領域は広がって行き、推論させたり、辛い記憶を消したりするうち、いつのまにか自分の意識の所在が頭蓋骨の外にまで広がっている感覚を得るのではないだろうか。
「自分の脳をネットにアップロードしたら、自分はどこにいることになるのか?」という議論があるが、自分は1つのままだ。ただし、境界が曖昧になる。
つまり、マインドアップローディングはエンターキーを押す事で実行されるようなものではなく、意識することなく連続的に行われていくものだと考える。
そして次第に人類にとって、食事と睡眠を必要とするような肉体は面倒くさい存在となり、盆と正月に戻ってくる故郷のような存在になるのではないだろうか。