iBeaconはBluetooth Low Energy(BLE)を使った新技術のこと。おサイフケータイで使われるNFC(Near field communication:近距離無線通信)の代替技術とも言える。Appleの商標だがBLEじたいは汎用技術なのでAndroidにも対応させることは可能。iOS7から標準搭載されたことでO2O(Online to Offline)、つまりユーザーをオンラインサービスから実店舗へ誘導するマーケティング施策が行いやすくなると期待されている。具体的にはビーコン(BLEの端末)を実店舗に配置し、ユーザーのスマートフォンとの間で通信を行う。ビーコンとスマートフォンの距離をセンチ単位で認識し、挙動を変えることができるので、例えば店内に入った時点でスマートフォンへプッシュ通知を送り、さらに商品に近づいたところで説明ページを表示し、ポップにスマートフォンをかざすとクーポンを発行する・・・といったサービスが可能になる。ユーザーはBlue ToothをONにし、待機状態でのPUSH通知もOpt-Inしておく必要があるが、アプリを起動していなくてもPUSHは受け取れるし、自動的にアプリを起動することもできる。従来のようにバーコードを読み取ったりする手間もないので、ユーザー側の負担は圧倒的に軽くなる。アメリカではAppleStoreをかわぎりにMacy'sやメジャーリーグなどでも採用されているが、日本ではまだまだこれからという印象だ。東京国立博物館に続きTOHOシネマズが採用したが日本橋と六本木の2館だけという寂しい状況。とはいえ、先日東京ビッグサイトで行われたWeb&モバイル マーケティング EXPOではO2Oを掲げるブースが異常に多く、勢いを感じた。iBeaconは今年、大きく普及するかもしれない。
個人的にはGoogle Glassのようなグラスデバイスとの組み合わせに期待している。Google Glassをして店内を歩き回るだけで、視界内に様々なタグが表示される。興味をひいたものがあれば、一定距離に近づくことでさらに詳しい情報が表示される、といった使い方だ。慣れるとウザいかもしれないが、今までに無い体験ができそうな気がする。