2014年5月18日日曜日

グーグルグラスはゲームに向いてない? Google Glass

1500ドルと高価だが、アメリカでの一般販売が開始されたGoogleGlassは、OculusやMorpheusと比べてどちらかというと実用性に期待されたデバイスだが、ここではゲーム用デバイスとしての可能性を考えてみたい。
Googleは開発者にインスピレーションを与えるためという理由で5種類のミニゲームを公開している。

  1. 「Balance」。荷物を落とさないよう傾きセンサーを操作。
  2. テニスゲーム。スイートスポットにボールが来るように加速度センサーを操作。
  3. 「Clay Shooter」。タイミング良く音声命令で射撃。
  4. パズルゲーム。これも加速度センサーでパネルをひっくり返す。
  5. Shape Splitter。手をカメラの前でかざしてオブジェクトを消す。
多くの人がARを使ったゲームを期待していると思うが、画像処理速度が上がり、深度カメラを搭載しないとキネクトのようなゲームは作れないだろう。5番のShape Splitterはいちおう画像認識をしているが、これはプレイステーションのEye Toyと同じく画像の動きのベクトルを感知しているだけなので、おおざっぱな操作しか反応しない。
操作系のうち方向入力はフレームの右側面にいちおうタッチパッドがついているが、ずーっとここに指を当て続けるのは腕が疲れるので、基本的にヘッドジェスチャーと、磁気センサーで行うことを考えたほうがよいだろう。ちなみにGPSは内蔵していないので、位置情報をとりたい場合はスマートフォンとBLEで通信する必要がある。
操作系のうち決定やキャンセルは、フレームの内側に備え付けられた赤外線センサーで瞬きを感知することはできるものの、これも気軽に瞬きができなくなり精神的にストレスがたまる。「Do It!」といった音声による入力も悪くはないが、周囲の環境によっては声に出せないこともあるので、あくまで2次的な手段と考えるべきだ。結局、決定やキャンセルの操作も、「うなずき」のようなヘッドジェスチャーが適していると言える。
またゲームを作るにあたっての最大の制約は画面サイズだろう。解像度は640×360と悪くないが画角が狭い。多数の文字や数字、アイテムを並べて判別させるのは困難だ。
以上の点を踏まえると、おそらく初期の段階で最も成功するのはスロットとビンゴだろう。何か別のことをやりながら、常に視野の右上で運試しが行われるというわけだ。
日本では「魔法使いと黒猫のウィズ」のようなクイズゲームも相性が良さそうだ。音声認識の精度が高ければ、出題も解答も音声で可能かもしれない。