いっぽうこのViMeCaは3,500円でビデオメッセージが録画できる。
こんなものもらったら今なら大切に保管するだろう。しかし録音メッセージカードのように安価でありふれたものは、しばらくして捨ててしまう人も多いに違いない。するとこのビデオメッセージカードのようなものもいずれ、内容を確認したらポイとゴミ箱に捨ててしまう時代になるになるのだ。以前はテレビドラマで犯罪者やスパイが証拠を残さないため携帯電話を無造作に捨てるシーンを見て「おぉ、豪快な」と思ったものだったが、先日アメリカのBest Buyに行ったとき、入口には携帯電話専用のゴミ箱が置いてあった。それだけ携帯電話を捨てる人が増えているのだろう。コンピュータとメモリとスピーカだけでなく、カメラや液晶ディスプレイがついたガジェットでさえ、今後は価格が下がって広く利用されるに伴い、躊躇無くゴミ箱に捨てられるようになるのだ。
その典型は商品タグだろう。あと10年もすれば、現在商品パッケージに必ずついているバーコードがすべて、非接触式通信機能をもったICタグになる。店頭で野菜を包んでいるラップにもICタグがつくことになるが、これは消費者が自宅に持ち帰って冷蔵庫に入れる際に自動的に読み取りが行われるため、食材管理が圧倒的に便利になる。冷蔵庫にあるものだけで何を作れるのかをコンピュータがリストアップしてくれるし、不足してるものがあれば、勝手に追加注文してもらうことも可能だ。
このようなICタグは、食材の消費とともに、不要になったらポイポイ捨てられるようになる。実際今、バーコードが印刷されたシールを捨てるとき、もったいないと感じることはない。そんな感覚になるはずなのだ。
カプセル型の胃カメラも、価格が下がっていけば、まるでサプリメントのように毎日飲み込み、トイレで豪快に流してしまうだろう。